床矯正
「床矯正」はできるだけ歯を抜かずに成長の過程に沿って顎を広げ、歯をもとの正しい位置に動かそうとする歯列矯正の一種です。
このページでは当院で治療が可能な床矯正についてお伝えしていきます。
【1】床矯正とは
床矯正とは、歯列矯正の一種で、顎の骨の成長に併せて顎を広げ、歯が正しく並ぶスペースを作る治療です。顎の骨の成長は、だいたい9歳くらいまでがピークと言われています。乳歯から永久歯に生え変わる頃が治療時期の一つの目安となります。
このような取り外し可能な器具を装着し、裏にあるネジを巻くと、ピンク色の部分(床・しょう)が広がっていく仕組みになっています。
9歳頃までは顎の骨も成長途中で動きやすいのですが、この時期をすぎると一気に動きが鈍くなってしまいます。それを歯にワイヤーを取り付けて動かす治療が“ブラケット治療”と呼ばれるものになります。
【2】床矯正と一般的な治療の違い
床矯正はできるだけ歯を抜かずに、成長の過程に沿って顎を広げ、歯をもとの正しい位置に動かそうとする治療であるのに対して一般的な矯正は抜歯をして歯が並ぶスペースを作り出す方法が多いようです。
床矯正は歯を無理やり動かしているわけではないので、痛みが少ない事、そしてブラケット矯正が固定式(自分で外すことができない)事に比べて、床矯正の装置は自分で外すことができます。床矯正だけでは正しい位置に歯を導く事が難しい際には、ブラケット矯正との併用など、その他の治療方法との組み合わせで利用されることもあります。
【3】床矯正のメリットとデメリット
上でも書いたように床矯正の装置は自分で取り外すことが出来ます。食事の時やお風呂のときなど、少しリラックスしたい時に外せるというのがメリットです。歯みがきの時も装置を外した方がらくらく磨けます。なので、ブラケットをつけた矯正と比べると、むし歯になりにくい、という事があげられるかもしれません。
しかし、外した時間がながければ長いほど、矯正効果は薄れていってしまいます。お子様が勝手に取り外してしまうこともあるので、親御さんはその管理が大変という点があげられそうです。
【4】治療期間
一般的には床矯正は1期治療と言われる”乳歯が永久歯に生え変わる前に始める治療”に該当します。
装置はだいたい半年~2年くらい付けることが多く、この期間で正しい歯並びにならない場合は2期治療”全て大人の歯に生え変わった後に始める治療”を行います。
そして動かした歯並びは再度元に戻ろうとする力が働きます。そのため、1期治療も2期治療も、後戻りを防ぐために一定期間はマウスピース(リテーナー)をつけて就寝してもらいます。
【5】費用と支払い方法
床矯正治療は保険治療の対象外となるため、自費での治療となります。当院での床矯正治療費は40万円(税別)です。床矯正治療を開始するまでに、むし歯治療などが必要な場合は別途保険での治療を行います。
お支払は現金一括払の他に、もしくはカード払い(分割可)も対応しております。
子供の矯正治療は医療費控除を受けることができます。通院にかかった交通費も併せて対象となりますので、領収書などは控えておきましょう。医療費控除については最寄りの税務署にお問合せをお願い致します。
【6】こんな方に
いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態
噛み合わせの深い方
乱ぐい、八重歯も叢生の1種
噛み合わせが浅く、口が閉じない状態の方
いわゆる「すきっ歯」
口を閉じた際に下の歯が前に来る状態